視察レポート:

 

食品廃棄ワーキンググループの活動の一環として、
食品リサイクルの最前線を学ぶために2つの外部施設させていただきました。

・日本フードエコロジーセンター 様

「食品廃棄物を活用したリサイクル飼料の製造を行っている企業で、サステナビリティの観点から注目されています。」

 

Jバイオフードリサイクル 様

「食品廃棄物を活用し、電力と肥料を循環させる”Wリサイクルループ”により、環境負荷を低減の取り組みが注目されています。」

視察の基本情報

・日時:2025年1月10日(金) 10:00 – 11:30

・場所:日本フードエコロジーセンター

・目的:食品廃棄物を飼料やエネルギーとして活用する仕組みの実例を学ぶ

・参加者:12名(食品廃棄ワーキンググループ10名とその他のCGFメンバー2名)

視察先の概要

・施設名称:株式会社フードエコロジーセンター

・住所:神奈川県相模原市中央区田名塩田1-17-13

・面積:土地面積1.527㎡、建物面積909.5㎡

・事業内容:食品リサイクル事業(廃棄物処理業、飼料製造業、その他)

・処理能力:49t/日 飼料化(粉砕・発酵処理)

視察の目的

日本フードエコロジーセンターは、食品循環資源の「リキッド発酵飼料化」という手法で注目を集めています。この方法は、飼料化の過程で乾燥を行わない技術を採用しており、適正な処理費で多様な食品廃棄物を受け入れることが可能です。その結果、安全・安心な飼料を製造するだけでなく、輸入由来の配合飼料よりも低価格での供給を実現しています。また、環境負荷の低減や税金の無駄遣いの抑制に貢献し、さらには養豚農家の生産意欲の向上にもつながるなど、さまざまな課題解決に寄与しています。今回、食品廃棄ワーキンググループのメンバーで同社を視察し、食品リサイクル・ループを構築する仕組みについて学びました。この取り組みは、「持続可能な消費と生産」を推進し、社会に貢献するモデルとして重要な示唆を与えるものです。

参加者からの感想

現地を見学させていただいたことで、野菜~加工品まで幅広い食品が飼料として有効活用されることが良く分かりました。ご解説いただいた中では、飼料化という観点から、栄養バランスを考慮して食品の投入内容・タイミングを調整されているという点も印象的でした。」

食品ロスを飼料化し、その飼料で育てた豚をブランド化して販売するというリサイクルループの取り組みは素晴らしいと思いました。」

現場を見るとともに、具体的な課題についてのお話しを直接聞けて大変参考になりました。」

「まず、社長の熱い思いに圧倒されました。飼料としての質を高める栄養バランスの工夫や回収時の工夫に感銘を受けました。PETの回収時も同様ですが、廃棄物ではなく資源として扱うことの大切さを実感しました。」

食品ロスを無駄にすることなく飼料化している点は大変有意義だと感じますが、一方で、飼料化されているとはいえ、日々大量の食品ロスが発生している現実を目の当たりにし、衝撃を受けました。」

資源循環を回すためには需給のバランスをとることが前提となるため、需要はあっても事業規模を拡大することは難しいと感じました。」

視察からの学び

  • 食品廃棄物のリサイクル方法と仕組み

    食品廃棄物を低コストで安全な飼料に転換する仕組みを構築し、効率的なリサイクルを実現している。

  • 食品廃棄物の供給変動への対応

    多様な供給元と契約することで、食品廃棄物の発生量の変動に柔軟に対応し、リサイクル工程の安定運営を可能にしている。

  • 環境負荷の低減

    廃棄物のリサイクルを推進することで、焼却処理によるCO2排出を削減し、輸入飼料への依存を低減している。また、一部の廃棄物(包装材を多く含む食品など)については、別のリサイクル手段を活用する工夫が求められている。

  • 循環型社会の推進

    飼料化にとどまらず、エネルギーや肥料としても食品廃棄物を活用し、資源の有効利用を最大化している。ただし、地域によっては焼却処理のコストがリサイクルより低いため、リサイクルの経済性や規制面での課題もある。

視察参加メンバーとの写真
(背景:日本フードエコロジーセンター)

視察の基本情報

・日時:2025年1月10日(金) 13:30 – 15:00

・場所:Jバイオフードリサイクル

・目的:食品廃棄物を電力・肥料にリサイクルする仕組み「Wリサイクルループ」を学ぶ

・参加者:12名(食品廃棄ワーキンググループ10名とその他のCGFメンバー2名)

視察先の概要

・施設名称:株式会社Jバイオフードリサイクル

・住所:神奈川県横浜市鶴見区末広町2-1-5

・面積:土地面積6,850㎡、建物面積1,841.05㎡

・事業内容:食品リサイクル・バイオガス発電事業、一般廃棄物と産業廃棄物処理業

・受入能力:120t/日(固体80t + 液体40t)

・発電量:約1,700万kWh /年 ※約5,700世帯の年間使用電力相当

視察の目的

Jバイオフードリサイクルは、食品廃棄物を電気・肥料にリサイクルし、排出事業に戻る電力ループと農業ループで環境にやさしいリサイクルの環をつくる取り組みをおこなっている。この取り組みは、「持続可能な消費と生産」を推進し、社会に貢献するモデルとして重要な示唆を与えるものです。今回、食品廃棄ワーキンググループのメンバーで同社を視察し、成功事例となっているWリサイクルループの詳細を学ぶために視察を行うこととなった。

参加者からの感想

包装されている食品もそのまま投入でき、バイオマス発電に活用できない容器はサーマルリサイクルとして、発酵残渣は肥料として、排水は工場内で再利用される仕組みがある点が印象的でした。」

規模の大きさと効率的な運営が印象的でした。」

JFEグループとJR東日本グループの協業ということで、施設の設備等も充実していると感じた。飼料・肥料等としての処理が難しいものをメタン発酵で有効活用したうえで、さらに電力ループと農業ループで資源を循環させている点が素晴らしいと思う。」

見学者の対応用スペースなどもあり、見学の受け入れ態勢が整っていると感じました。」

微生物の働きによる発電であることから、同じものばかりを投入すると効率が落ちるため、投入するものの調整が必要な点。廃棄物処理と電力利用をセットで行うことにより、廃棄物の電力転換分が「創電割」として安元される仕組みがある点。」

特定企業との共同出資による取り組みはユニークかと思いました。」

視察からの学び

  • Wリサイクルループの仕組み

    食品廃棄物を活用し、電力と肥料を循環させる「Wリサイクルループ」により、環境負荷を低減している。今後は他地域や他業種への展開も視野に入れ、さらなる拡大を目指している。

  • 食品廃棄物の処理プロセス

    メタン発酵技術を活用し、食品廃棄物をエネルギーと肥料に変換している。微生物技術の進化により、今後さらなる処理効率の向上が期待される。

  • 産業廃棄物の受け入れ

    不適物除去技術を導入し、安全かつ効率的なリサイクルを実現。排出事業者との連携を強化し、持続可能なリサイクルループの発展に向けた取り組みを進めている。

  • 経済的メリット

    電力割引サービスやリサイクル報告書の提供を通じて、食品リサイクルの経済的メリットを向上。今後はエネルギー化や肥料改良など、新たなリサイクル手法の開発により事業の多角化も期待される。

視察参加メンバーとの写真
(背景:Jバイオフードリサイクル)

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