世界中においてサステナビリティ基準への信頼を構築する

組織は、さまざまな基準がある中でもとりわけ、自社のサプライヤーが被雇用者に適正な労働条件を提供し、原材料を持続可能な方法で調達し、環境を大切にしていることを保証するため、第三者の監査と認証を活用しています。とはいえ、市場には選択対象として何百もの監査スキームがあり、かつ毎年数十もの新しいスキームが登場することから、どのスキームを信頼してよいかを判断することは組織にとって難しい課題です。すべての監査スキームが同じように社会的責任の尺度を網羅しているとは限らず、その結果、監査に対する不信感と業界における不整合が生じていることを考えると、判断はさらに難しくなります。

サプライチェーンのデューデリジェンスに関して企業を支援するため、2017年、主要なサステナビリティ要件を網羅し、適切なガバナンスと検証を適用している第三者監査スキームおよびプログラムを承認するサステナブル・サプライ・チェーン・イニシアチブ(SSCI)を始動させました。CGF会員と専門家ステークホルダーによって開発された基準に基づく包括的なベンチマーキング・プロセスを通じて、SSCIは現在、社会的責任に関する業界の期待を満たす監査プログラムを承認していますが、今後は環境サステナビリティについても重点を置く予定です。SSCIは、既に成功を収めているCGFの世界食品安全イニシアチブ(GFSI)の基準承認のアプローチに倣って設立され、CGFのサプライチェーン・コンプライアンスのこれまでの取り組みであるグローバル・ソーシャル・コンプライアンス・プログラム(GSCP)の活動を再構築したものです。2020年には、CGFの新たなグローバル戦略に従い、SSCIは主要な行動連合の1つになりました。

信用の構築と信頼性の確保

SSCIは、どの第三者スキームが主要なサステナビリティ要件を満たし、適切なガバナンスと検証方法を適用しているかについて、バイヤーとサプライヤーに対し明確なガイダンスを提供することにより、業界への信用を構築する手助けをしています。SSCIは、新たな社会的コンプライアンス基準でも認証スキームでもありません。業界が特定したサステナビリティへの期待に対して、様々な認証スキームを整合させようというものです。

SSCIは、持続可能な調達への信頼を確保し、すべてのステークホルダーに対し監査の重複、複雑さ、コストを削減し、最終的に社会と環境にプラスの影響を与えることに貢献します。監査スキーム・オーナーは、 SSCI基準との整合性を実証し、SSCIの承認を得ることにより、消費財業界全体において調和と整合を推進する一方で、自らの認証プロセスにおける基準引き上げへの強力なコミットメントを示すことができます。

業界が選ぶベンチマーク

わずか3年で、SSCIは、社会的コンプライアンス・スキームの基準の策定を支援する業界の主要な声となりました。第三者監査および認証スキーム専用に設計されたSSCIの独立したベンチマーキング・プロセスは、業界のメンバーならびにサプライチェーンやサステナビリティの専門家、政府間組織およびNGOなどの外部ステークホルダーによって策定された基準に基づいています。なお、水産養殖および海上事業の両スコープにおいては、世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI)との継続的な協働によって開発が進められてきました。「社会基準」と「スキーム管理基準」において人権デューデリジェンスへの支持と事業の倫理的マネジメントを求めることで、SSCIは、業界が監査スキームに対して何を期待しているのか、その基準を定めています。

SSCIが承認した認証スキームおよび現在進めているベンチマーキング(承認プロセス)についてはこちらをご覧ください。

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