日本では、高齢化は今なお進行しており、経済や社会に様々な影響を与えています。内閣府の調査(令和2年版高齢社会白書(全体版))では、令和47(2065)年には、高齢化率は38.4%に達して、国民の約2.6人に1人が65歳以上の者となる社会が到来すると推計されています。
このような社会課題に対して、生活者が健康寿命を延伸していくことができるようになることが、個人にとっても社会にとっても重要なテーマとなっています。そして、最近注目されていることがフレイルであり、その予防対策です。
フレイルとは、加齢に伴って、体力(筋力)や精神力など心身の活力が低下することです。日本人高齢者のフレイル割合は約9%、プレフレイル(フレイルの前駆状態)は約40%といわれています(1)。身体活動量や社会参加の減少が、フレイルを加速させる恐れがありますが(2)、このような「フレイル」の認知度は、未だ20%程度といわれています。
一方、フレイルを予防するには適度な「運動」と「栄養バランス」の取れた食生活、そして「社会活動への参加」が重要となります(3)。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、高齢者のフレイル予防の観点から、十分の量のたんぱく質を毎日摂ることが推奨されています(4)。
私たち、高齢者ワーキンググループは、生活者がフレイルのリスクを自分ごととして捉え、ご自身またはご家族の食生活の改善を通して、フレイル予防に取り組むことを応援しています。